マネーロンダリング (橘玲著) を読んだ ★★★

2017/10/05


マネーロンダリングは2002年に発表された橘玲さんのデビュー作。投資系の小説を書いている作家さんは元金融マンの方が多いのですが、橘玲さんは元々は出版社勤務の方。

香港在住のもぐりのコンサルタント・工藤をある日、美しい女・麗子が訪ねる。「五億円を日本から海外に送金し、損金として処理してほしい」彼女の要求は、脱税の指南だった。四ヶ月後、麗子は消えた。五億では無く五十億とともに。すぐに工藤は東京へ。麗子と五十億の金はどこへ?マネーを知り尽くした著者による驚天動地の金融情報小説!

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感想

マネーロンダリングとかタックスヘイブンとかオフショアとかただ日本で株やってるだけでは聞かないような言葉がたくさん出て来る。

僕がもしお金持ちだったら脱税関係の事にも興味を持てたのかもしれませんが、そうでも無いのにそっち方面に詳しくても仕方が無いですし、お金もないのに節税節税言ってる人は嫌い。

でも内容の中心にマネー(強盗とかじゃなくて金融工学的なマネー)がある小説は好きで、実際に楽しく読む事ができました。

マネーに関する本は僕がお金好きなのもあって、お金持ちになりたいと言う刺激を与えてくれる。

博打を打つ必要はもちろん無いのだが、このまま何もしないで良いのかと考えるきっかけになり、無駄な時間を過ごさないようにしようと言うモチベーションを上げてくれる。

すぐにだらけてしまう僕にはこういう小説が定期的に必要。

ただ34歳で資産6,000万円しかないのに香港で豪華なニート生活はちょっと現実感無いな。

pick up

P.224
初めて倉田老人に会った時、「資産運用に成功する方法は何か?」と訊かれた。秋生はしばらく考えて、「資産運用しない事ことと、税金を払わないこと」と答えた。倉田老人はその答えに大笑いして、それ以来、何かにつけては秋生に仕事を回してくれるようになった。

もし自分が「資産運用に成功する方法は何か?」と訊かれたらなんと答えるのだろうか?経験が重要なので出来るだけ早く資産運用を始める事とか言ってしまいそう。

P.252
「現実にはタックスヘイブン国が存在する事によって、他の国々の税収は大きな打撃を受ける。マネーのグローバル化によって巨額の資金がタックスヘイブン国に自由に移動できるようになれば、資産課税は事実上、不可能になってしまうからね。そうなると、国家は個人の所得に課税するほかなくなる。結果として、大きな資産を持つ者がさらに金持ちになり、貧富の差が拡大する。これが、タックスヘイブンが有害税制と言われる理由さ」

関節税の割合が多くなれば貧者の負担が大きくなり格差が拡大する。マネーロンダリングとかは良く無いけど、年金とかの目減りをさせる為にももっと必要だと思うけどね。


-読書感想文