永遠の旅行者 (橘玲著) を読んだ ★★★


橘玲さんは以前に読んだマネーロンダリングタックスヘイブンの著者で、今回読んだ永遠の旅行者で小説作品は読破。

作家として15年くらい活動されていますが、小説作品は3つのみで、他は財テクとか節税とかの指南書ばかりになっていて、お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方を読んだのですが、全然面白く無かったのでそっち方面はおススメはしません。

・上巻の公式説明
元弁護士・真鍋に、見知らぬ老人麻生から手紙が届く。「二十億の資産を息子ではなく孫に相続させたい。ただし一円も納税せずに」重態の麻生の余命わずか、息子悠介は百五十億の負債で失踪中、十六歳の孫のまゆは朽ちた家に引きこもり、不審人物が跋扈する。そのとそのといき、かつてのシベリア抑留者だった麻生に殺人疑惑が浮上した--。謎とスリルの上巻。
・下巻の公式説明
まゆは幼い頃に母を殺された未解決事件にまだ苦しんでいた。アメリカで失踪した悠介の居場所はつかめない。麻生の死期は迫る。真鍋には時間がなかった。そもそも麻生はなぜ無税の相続に拘るのか?そして、まゆが何者かに誘拐された--。人間の欲望と絶望、金と愛情、人生の意味までを、大胆かつ繊細に描ききった新世代の『罪と罰』完結!

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典型的な橘玲作品

橘玲さんの小説作品は3冊しか読んでいない(3冊しかない)のですが、どれも次の2つの傾向がありました。

俺TUEEEE

どの作品も主人公は超有能です。

ほぼニートな生活を謳歌できる資産があり、さらにはちょっとの時間の仕事で多くの報酬が貰えている。

危ない橋も渡るが、基本的にはすべて突破できる。

まさに「俺TUEEEE」

内容は良くあるサスペンス小説

脱税や節税と言ったテーマがありますが、それはストーリーに意味を持たせるために使われているだけで、基本的な内容は良くあるサスペンスです。

「大金があるから節税したい依頼人、そして依頼人の大金を狙うヤクザとのトラブル。」とだけ書けば、知的な金融小説と言うイメージにはならないでしょう。

総評

金融のエッセンスを用いた小説としては面白いのですが、橘玲さんは稼ぐことよりも、失わないことを重要と考えている人なので、投資で稼ぐと言ったストーリーには絶対にならないのが残念。

金融系の小説は企業買収とか倒産とかみたいなのは多いけど、個人を主人公にした作品の書き手は非常に少ないので、マイナスな意見を書いたりもしていますが、僕はこのジャンルでは本当にトップの作家さんだと思っています。


-読書感想文