フラッシュ・ボーイズ (マイケル・ルイス著) を読んだ ★★★★★

キンドル版もあります

マネー・ショートが物凄く面白かったので、マイケル・ルイス氏の別の作品も読んでみたいと思い、この本を手に取りました。

マネー・ショートは小説よりも映画で見るのをおススメしますが。

・公式の説明
2007年のある日、ウォールストリートの2軍カナダロイヤル銀行のブラッド・カツヤマは、さっきまで画面にあった売り注文が、買いのボタンを押すと、蜃気楼のように消えてしまうことに気がついた。
その謎をとこうとパズルのピースをあわせて見えてきたのは、コンピュータ化された市場で常態化した巨大な八百長、ミリ秒、マイクロ秒、そしてナノ秒のしのぎを削って私たちを先回りするフラッシュ・ボーイズの姿だった。

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学べる読みもの

マネー・ショートでサブプライムの時に何があったのか学べるのと同様に、フラッシュ・ボーイズでは超高速取引がどんなものなのか学ぶことができます。

2017年末あたりから日本でも存在感が増していると話題になっていたダークプールについても同時に知ることができました。

参考書的な本だと小難しく書かれてしまい、読むのがつまらなくなってしまうかもしれませんが、この本ならば最後まであまりストレス無く読み切れると思います。

あと、マネー・ショートに比べるとかなり読みやすく、ノンフィクション作品なのですがワクワク感も得られ、最後にゴールドマン・サックスが高速取引と決別し、ブラッド・カツヤマが作った公平な取引所に注文を入れたシーンでは感動すら覚えました。

それにしても最先端の金融の世界は浮世離れし過ぎています。

個人投資家として

アルゴリズムがどうたらこうたらってのは前から聞いていたのですが、フロントランニングされてしまったら個人ではどうにも対応できません。

ネット証券になって手数料は安くなりましたが、別の手数料が発生してしまったと考えるしかないでしょう。

そうなるとできるだけ売買回数を減らすくらいしか凡人の僕には対応策が思い浮かびません。

流動性とは?

「デイトレーダーとか社会の何にも役に立ってない」という意見に対して、「流動性を供給している」と反論することができ、高速取引業者も似たようなものかと思っていたのですが違いました。

高速取引業者がいてもいなくても「本当の意味の取引」の数は変わらず、出来高がだけが増えていく、つまり中間搾取される物が増えていくだけでした。

自分がどれだけ高速取引業者に損をさせられているのかを知るためにも、この本は株式投資をやっている人は読んでみた方が良いと思います。

マネー・ショートのようにフラッシュ・ボーイズも映画化して欲しいですね。


-読書感想文