THG BIG SHORT ~INSIDE THE DOOMSDAY MACHINE [世紀の空売り ~世界経済の破綻に賭けた男たち] (マイケル・ルイス著)を読んだ ★★★

2017/11/02

映画「マネーショート」の原作となったノンフィクション小説。
サブプライムローンに関するお話。

「ブラッドピットが出てた映画の原作だ~♪」みたいな感じで経済に興味の無い人が手に取ったら、最初の10ページくらいで力尽きるであろう1冊。

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あの時何があったのかわかる

最初から最後まで専門用語が多い。
物語風に専門用語を解説する参考書のみたいな感じさえする。

話が進むのも遅いので、投資に興味がある人以外には本当におススメできない。
たまにはこんな題材の小説も読んでみようかなって感じて手に取ると後悔するだろう。

文中で「未来を予測する」とか「~に賭ける」と言う表現が良く出て来る。
投資の本にはこれは必要の無い要素と書かれている場合が多い。
今現在何が起こっているかから判断しろと。
大きく利益を取るためには結局未来予測が必要になるのか、それともこの時の状況が普通では無かったのか。

面白かったと言うより、勉強になったなと言うのが感想。
もちろんこれを読んだからと言って投資が上手くなる訳では無い。

ザ・マネー・ショート


2017年のゴールデンウィークにシンガポールに行った際に飛行機の中で映画も見ました。
行きと帰りに1回ずつ、計2回見た。

サブプライムが怪しいぞっていう場面が30分、空売りしたけど自信が無くなってきたぞと言うのが70分、サブプライムローン崩壊後が20分と言った感じ。

サブプライムローンの胡散臭さに気づいき、それの空売りポジションを取るためにクレジットデフォルトスワップを買い漁る時の高揚した感じを見るのは好き。
儲けてやるんだ!これで俺は勝ち組になるんだ!!っていうアグレッシブな物語を見ると、自分もこういう空気を味わいたいから頑張らないといいけないとヤル気が出て来る。

最終的に利益を確定するのだが、自分が儲かるのと同時に世界は不況へと舵を切る。
素直に喜べない理由ができてしまう。

儲かった人達が悲しい顔をするエンディング。
トレーダー主体の話ならば儲かったぜ!俺たちはこれで勝ち組だぜ!!って言うエンドが多いし、実際に賭けには勝っている。
それなのに暗いエンドなのは投資銀行のやっていた事に対する批判、税金投入で一般人ばかりが被害者となった事に対する批判など、社会に訴える何かを入れたかったのかもしれない。

原作はあまりおススメできないけど、映画はおすすめできるというか、株やってる人なら見た方がいいかも。

・マネー・ショート華麗なる大逆転(Amazonビデオ)
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-読書感想文